『剣道と青少年・古武道について』その1

信道館武道場 館長 七五三掛保夫

 

 「剣道」。言葉としては誰でも知っていると思いますが、現在修業している人、或いは昔経験した人を含めても、ごくわずかだと思います。正しい剣道の姿というものは全く知られていない、これが今日の剣道の実状だと思います。それでも剣道を習いたいという人がいるのも事実です。今回は日本の伝統文化である素晴らしい剣道を一人でも多くの人に正しく理解していただくために、これからわかりやすく剣道についての話を進めていきたいと思います。第一回は、チビッ子剣士・幼年部員の道場でのようすを紹介しながら、剣道修業の一番大事な目的を理解していただこうと思います。

 

 月・水・金、幼少年を対象とした稽古日です。午後三時頃になりますと、三歳半から小学一・二年生までの子供たちが集まってきます。大きな声での挨拶、はきものの収納、しつけの第一歩です。四時までは自由時間。幼年部は現在十四名で、時にはけんかもありますがそれもおたがいのふれあいの大切な事だと思います。四時、いよいよ稽古の始まりです。道場の床板の拭き掃除ですが、これは剣道の修業の一部分です。昔は一般の家庭でも日常生活の場の掃除の基本でしたが、今ではもう忘れられようとしている事の一つです。道場は体育館ではありません。

 

檜の床板を、水拭き・空拭き一日数回行います。剣道修業上の大切な日課となっています。チビッ子剣士達は幼年部担当の沢先生(女性)から、雑巾のゆすぎ方・しぼり方・拭き方をやさしく教わります。私は五歳から道場に通いましたが、道場で育った子供は皆掃除好きになります。チビッ子剣士達、最初はなかなか上手にできません。最近の子供達の体力が確実に低下している事がわかります。昔から剣道の修業に雑巾掛けはつきものですが、昔もこの雑巾掛けで少しずつ足腰の鍛錬をしていったのだと思います。実にりっぱな日本の教育文化であります。剣道の稽古はかならずこのように自分が修業する道場の掃除から始まります。

 

 剣道の目的は試合に勝つ事ではありません。試合は剣道を奨励するための一つの形ではありますが、目的ではありません。『剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である』。全日本剣道連盟は剣道の理念としてこのように定めています。

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