『剣道と青少年・古武道について』その7

信道館武道場 館長 七五三掛保

 

 現在、全日本剣道々場連盟に会員として登録されている剣道場が全国で約千五百余あります。この他に、中・高・大学・職域での剣道部、剣友会等を入れますと相当の数になると思います。最近では、出生率の低下にともなって幼少年の剣道人口はやや減少してはいますが、それぞれの地域の剣道愛好家の支持により「全剣連」の組織は「都道府県市区町村」はもとより、全世界に向かって伸展しているわけですから、この隆盛は大変なものだと思います。これからは、この隆盛を大切に維持すると共に更に発展させる事が大事なのです。

 

 全剣連では、剣道の理念として「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」と制定しましたが、これは非常に大切な事でもあり、深い意味のあるものなのです。現代剣道がここまで伸展する事が出来たのは、現代剣道を一番先に始めた剣士達がこの「剣の理法」をよくわきまえていたからだと思います。他にもまだいくつかの要素はありますが、ここでは少し「剣の理法」というものにこだわる事にします。

 

 「剣」即ち「日本刀」というものが、どういうものであるかを昔の剣士達は充分に認識していましたから「剣の理法」と特に改まっていわなくても「剣の理法」からはずれた剣道などあるはずがなかったのです。ところが今ではこの「剣の理法」という事を、どれだけの人が考えながら現代剣道の修業をしているのでしょうか。「剣の理法」の事など全く知らない修業者が殆どだと思います。現代剣道の創始者達にとって「日本刀」は日常の携帯品であったわけですから「日本刀」に対する認識度は現在とでは比較になりませんが、先輩の剣士達はこの認識の上に立って真面目に「剣の理法」の修練をしたわけです。

 

 今日、各流派の剣道の「形」を拝見しますと「剣の理法」というものがよくわかります。一寸現代剣道からでは得られないものだと思います。現在ではあまりにも「剣の理法」というものがないがしろにされてしまったので、これではいけないということで「全剣連」はこの「剣道の理念」を制定したのだと思います。

 

「剣の理法」は剣道修業の大前提であります。「剣の理法」の修練が剣道なのです。現代剣道には素晴しい要素が沢山あります。しかし、その反面「剣の理法」の事を忘れさせてしまうような要素もあると思います。現代剣道を正しく発展させるためには指導者がしっかり「剣の理法」の勉強をする事です。即ち『師弟同行』の精神であります。

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