『剣道と青少年・古武道について⑩』

信道館武道場 館長 七五三掛保

      

 現在「信道館」には"杖術"修業中の人が、小学生から一般までで三十五名います。六十歳以上の人も五名います。全員、現代剣道、居合も併行して修業している、有級・有段の人達です。そして殆どの人が現代剣道で入門しました。始めから"杖術"という人は三名だけです。この三名の人も"杖術"を知っていたわけではありません。道場へ見学にきて初めて興味をもったのが動機となりました。現代剣道と併行して修業している人達は"杖術"の稽古を始める事によって現代剣道の精神をより深く理解する事ができるようになったと思います。

 

 私は剣道というものを、難解な佛法用語を使ったり、ことさらに禅の精神に結びつけて話す事はあまり好きではありません。最終的にはそのような境地に到達するのかも知れませんが、武道は本を読んだり、話を聞いただけでは出来るものではありません。私が今の段階で言える事は武道を修業するものは先ず第一に自分の修業する武術の流祖の教えを心から信じて尊う事だと思っています。当たり前の事なのですが、これが仲々むずかしいのです。そして現代剣道では一寸理解しにくいと思います。現代剣道の稽古中に〝流祖〟の事など考えた事もないと思います。古武道と現代剣道のつながらない相違点かも知れません。本当は古武道と言うこともおかしいのです。少なくとも"武道" "武術" "剣道"そして"杖術"も同じですがどの種類の武道にも、流名というものがあり、そして流祖といわれる人がいるわけです。前に一度書きましたが昭和二十年以前の町道場はまだ道場名の上にそれぞれの流派の流名をつけていたものです。

 

 「全剣連」の「杖道の形」はすべて「神道夢想流」から取り入れています〝流祖〟は「夢想権之助勝吉」という人で剣術も"神道流"の達人でした。杖術の稽古は、礼式の終わった後、準備運動を兼ねまして、単独動作という基本形十二本を全員で行うわけですが、ここで"流祖"を心から信用する事が大切なのです。指導者も同じです。私が教えると言う考え方では駄目です。如何に流祖の教えを正しく伝えるかという事が大切なのです。第一、"杖術"の形稽古は"自分勝手流"では何も出来ません。どの動きも日常の生活の動作とは全く違うものばかりです。どうしても"流祖"の教えが必要になってきます。"流祖"を心から信用して敬うという事が"杖術"の稽古の一番いい所だと私は思っています。

 

 

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