『剣道と青少年・古武道について』その2

信道館武道場 館長 七五三掛保夫

 

 剣道の修業の目的は人間の形成にあるのです。競技的に試合に勝つためではありません。ここの所を子供のうちからしっかりと頭の中に植えつけることが、剣道の指導者の大事な務めだと思います。そして子供を道場に通わせている、お父さん、お母さんにもこの事をしっかりと頭に入れていただくことです。剣道はスポーツではありません。

 

 では又道場のようすに話をうつします。幼年部員、どうやら雑巾掛けが終わったようです。今度は、着衣ですがこれは一寸まだ一人では出来ません。稽古着と袴で紐が四ヶ所あります。この紐を結ぶという事は、日本の固有文化です。剣道は剣道そのものも日本の伝統文化でありますが、その修業の課程の中にいくつもの大切な文化があるのです。稽古着は、発汗、吸しつそして運動性にも優れています。袴は一見運動性が悪いように見えますが、剣道のように打突を主とした場合、危険防止運動性の両面から考えますとこれ以上優れたものは世界中にないと思います。ズボンや、タイツでは忽ちけが人が続出すると思います。着衣も沢先生が指導します。着つけは剣道の大事な修行の一つです。着つけが終わってどうやら恰好だけは、剣士になります。今度は礼法です。先ず整列着座するわけですが、なかなか大変なようです。指導者はあせってはいけません。

 

〝左座右起〟を新設に教えます。左足を引いてから右足の順で着座します。親指がかるくふれ合うように指導します。そして黙想。黙想は心の準備運動です。幼年部員ではまだ形だけのものですが、精神統一の第一歩です。大事なところです剣道に限らず。およそ習いごとにおいては、先ず形から入ります。そして又形に終わるのです。黙想が終わり神前に対し拝礼します。そして先生に対し礼、座礼です。道場には神棚があります。特定の神教を押しつけるものではありませんが、これも伝統であると共に日本の精神文化であります。私は体育館で剣道の稽古を行う時でも神前の拝礼を行います。敬神崇祖の精神は日本の世界に誇る事の出来る、りっぱなものです。剣道は礼に始まり礼に終わる。剣道は体育的な面、そしてこのように徳育的な面を教育する要素を持っています。もう一度言います。剣道修業の目的は大会等で試合に勝つことではありません。

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