『剣道と青少年・古武道について』その3

信道館武道場 館長 七五三掛保夫

 

 黙想と礼が終りました。次は、簡単なストレッチ運動を行います。先生の形を真似するように指導します。習い事はすべて真似をする所から始るのです。大変重要な事です。ある一つの模範的な形を正しく真似るという事は、集中力、判断力、行動力を必要とします。子供は興味があれば真似をするという習性を持っています。ストレッチ運動は、いろいろな形から成りたっています。そして次はもう少し大きな動きの跳躍、屈伸、転回、捻転、駈足などを組合せた体育運動を行います。

 

 いよいよ竹刀(しない)を持たせるわけですが、ここで剣道の稽古の心構えをしっかりと教える事です。この四ツ割の竹で出来た竹刀(しない)を、日本刀とし扱うことを幼少年の中にしっかりと教える事が剣道修業上のもっとも大切な事なのです。剣道は竹刀(しない)競技ではありません。あくまでも剣道でなければなりません。幼少年ではまだ剣道の技法、理法、心法はなにもわかっていませんが、剣道は"日本刀"で稽古をするのだぞという真剣な気持ちを充分に時間をかけて養成していくのです。

 

 心技一如である事が剣道の奥義でありますが一朝一夕に出来るものではありません。剣道を通しての形を真似する稽古を重ねるうちに師弟の関係が生まれていきます。師は真似をされるわけですからまず自分が正しくなければいけません。即ち師弟同行の精神が生まれる所以です。師は弟子と共に稽古をする、或いは弟子以上に稽古をせよという戒めです。幼年部では剣道らしい事はまだ何も出来ませんが、以上のような事を通して、先ず自立心を植えつける事を目標にしています。

 

 現在の子供達は体力の面でも精神の面でも確実に低下しています。よく幼年部員の祖父母の方が見学にこられますが、どなたもご自分達の子供の頃を思い浮べながら今更の如くあまりの変りように驚かれています。先ず腹筋力、背筋力がありません。従って姿勢が悪い。これではいくら勉強をしても身につきません。姿勢は集中力と関係があります。次にものを握る力。これは意志力と関係があるそうです。このような事を専門に研究している大学の先生から報告していただきましたが、剣道の稽古を通して全くその通りだと思います。剣道は良い姿勢と、竹刀(しない)をしっかりと握る事を必要とします。集中力と強い意志力の鍛練が先ず何よりも大切なのです。

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