『剣道と青少年・古武道について』その6

信道館武道場 館長 七五三掛保夫

 

 『古武道』。一般の方々には耳なれない言葉だと思います。又、現在剣道修業中の方でも良く知らないという方のほうが多いと思います。では、いったい古武道とはどのようなものなのでしょうか。先ず興味をもって下さい。それから、古武道と一口に言っても範囲が広いものですから、ここで言う古武道とは、古伝の剣道であることを前提とします。そして、私はここで剣道の技術的な説明をするのではなく、あくまでも、現代剣道と古武道の接点を探求しながら、その両方の姿を浮き彫りにして、その上で剣道というものを語っていきたいと思います。

 

 現在、現代剣道修業中の方の中に古武道の事を意識して稽古をしている方がどのくらいいるでしょうか。殆どの方が全く古武道の事など考えていないと思います。では、現代剣道は古武道に関係なく、それ自体で一人歩きしてきたものなのでしょうか。大分前の事になりますが、日本武道館で行われた剣道大会の折、ご自分でも剣道の名手でおられるある有名な方が、こちらも達人と言われた高名な先生にこう質問されました。

 

 「今ここで私達の見ている剣道が日本古来の伝統ある剣道というものでしょうか」。

 

 その時質問をお受けになった高名な先生は「いいえ今ここで行われている剣道は伝統ある日本古来のものではありません」と答えられました。そして、お二人共大きくうなずかれました。

 

 もうお二人共故人になられましたが、その時の会話はそこまで。そのあとお二人は何も言われなかったのですが、その胸中はどうだったのでしょうか。

 

 私達は防具をつける現代剣道を一番身近に見ているわけですが、確かにこれを伝統ある日本古来の剣道と言うには少し無理があると思います。では、今度少し角度を変えて現代剣道を眺めて見る事にします。現代剣道は誰がいつ始めたのでしょうか。現代剣道の発生の原点にふれたなら何か判るかも知れません。ここでは、正確に年月日を知る必要はありませんので幕末頃でいいと思います。現代剣道を一番先に始めた人は古武道家なのです。その時は未だ古武道とは言えませんが。現代剣道は剣道を全く出来ない人がいきなり始めたわけではないのです。そればかりか、むしろ各流派の目録、免許といった相当に有名な剣士たちが一番先に始めたのです。

お問い合わせ

〒216-0003 神奈川県川崎市宮前区有馬1丁目7−1  川野ビル 2F

信道館武道場

 

TEL: 044-854-7419

【電話受付時間】
月、水曜日 14時~20時

土、日曜日 11時~19時