『剣道と青少年・古武道について⑨』

信道館武道場 館長 七五三掛保

 

  私は前回にも申し上げましたが、剣道は日本人の国民的教育法であると思います。その中でも特に古武道は立派な教育法であります。今回は古武道の紹介をしながら剣道の国民的教育法という事について話を進めていきます。

 

 「杖術」全く知らない方のほうが多いと思います。約四百年の歴史があります。「神道夢想流杖術」由来等については又の機会にしまして。先ず「杖術」というものが日本に四百年も前からあったという事を知っていただければ結構です。剣と杖で稽古を行う武道の形です。稽古には木刀を用います。「杖」約一米二十糎直径二・四糎の樫の丸棒です。木刀を用いる方を「打太刀」、杖を用いる方を「仕太刀」と言います。指導法・稽古の形・礼法等すべて勝手に行うものは一つもありません。

 

  稽古は実技指導に入る前に学習としてかなりの時間をかけて形武道についての説明をします。先ず稽古の相手の事です。相手は自分と同じ人間です。相手があって始めて技を磨く事が出来るのです。勝つ事よりも「武術」としての技を磨く事によって人間としての資質をより高く伸ばす事の大切さを教えます。先ず第一に相手を敬う事です。「現代剣道」も同じです。相手を敬う事によって、技ばかりでなく正しい心というものを学ぶ事力出来るのです。「心技一如」゙杖術゙の指導精神は、体と心を一緒に鍛える所にあります。そして「杖術」の稽古はそれを自然に教えていきます。実際におやりになるとすぐにわかるのですが、説明はなかなか困難です。しかし自分の勉強にもなりますので少しお話しすることにします。

 

 形武道というものは「打太刀」「仕杖」の技を通して流祖の精神を探求するものだと私は思います。「杖術」の形は単に木刀を持った暴漢を護身術的に仕とめるものではありません。古武道はすべて「杖術」以外のものでも「打太刀」が「上位」です。「日本剣道形」も同じです。一般の方が見ると負ける形の「打太刀」のほうが「下位」と思うでしょうが、「上位」なのです。従って「杖術」の稽古では木刀をもてるようになるには大変な修行が必要です。「打太刀」「仕杖」とも手順、足順をおぼえた程度では武術には程遠い事を稽古を通じて知る事が出来ます。武道の「心と身体」を一緒に鍛えることの大切さを知る事によって初めて人間としての生涯学習の必要性と精神生まれるのだと思います。

 

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